日本語と漢字

例えば英語、ドイツ語やフランス語もそうですが、同じような意味を持つ同音異義語は基本存在しないそうです。音で聞き取る言葉なので、同じ発音で違う意味の言葉があるとどちらの意味なのかが分からないからです。

日本語はといえば、同音異義語は沢山。「とる」という言葉を入力したら、撮る、取る、摂る、採る、獲る、執る、録る…こんな風に出てきます。どの「とる」なのかは、文脈で判断をしたりしますが、どの漢字なのかを聞けば、納得です。
さらに、あまり聞き覚えのない単語を言われた時は、やはりどんな漢字を書くのかを聞く人が殆どではないでしょうか?

シュレッダーという言葉は、知らないと何なのかが分からないけれど、粉砕機或いは破砕機と書いてあれば、例え読み方が分からなくても、粉々に砕く機械だと分かります。
日本語の場合、「粉々に砕く機械」から字をとって、「粉砕機」と書きます。そうなると、面白いことに読み方は音読みとなり「フンサイキ/ハサイキ」と読みます。
音読みが、中国語の日本語に訛った読み方。訓読みが、もともとの日本語です。

日本人の凄いところは、この音読みと訓読みを適度に使い分け、文字からその意味をイメージしてしまうこと。人が言葉として発している音を、目で見ているようにイメージするのは、日本語以外では考えられないのではないかと思います。
英語を話す人が、シュレッダー(shredder)が何かを知らず、アルファベットで書かれた文字を見たとしても、シュレッダーがどういうものかイメージすら出来ません。でも、だから、彼らには同音異義語がないとも言えます。子音や母音が多いため、同音異義語を作る必要が無かった訳ですが、日本語の場合は、子音や母音が少なく、同音異義語を作って区別するしかなかったんでしょうね。
だから、中国から漢字が入ってくる事で、人との伝達がやり易くなったに違いない…と思うと、漢字以前の日本語は、随分と使い辛く、どのように使っていたのか、とても不思議に思います。五十音を考えた時に(詳しくは「埋まらない五十音」をどうぞ)、今は消えてしまった子音があるみたいなので、今よりかは同音異義語の区別はついたかもしれませんが。

何はともあれ、中国には、漢字を発明してくれて感謝!ですね。

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