波瀾

ニュースを聞いていて、「波瀾」という言葉が妙にひっかかりました。

「波瀾に満ちた人生」とか、「波瀾万丈の人生を歩んだ」とか。
「ハラン」は、「波乱」かと思って、波が乱れるから、変化が激しい様子を言うのかと思ったけど、「波瀾」が正しい。辞書によっては、「波乱」とも書くと書かれているけれど、これだと意味が少し違ってしまう。

「波」は小さな波。「瀾」は大きな波を意味する。波が乱れるのも同じような意味になるかもしれないけど、「波瀾」と書くという事は、本来は、小さな波もあれば、大きな波もあるという意味でしょう。この二文字で、大きく物事が変化する様子を表します。「波乱」だと、どの程度の乱れなのか、「波瀾」より具体的ではありません。

「波瀾」に四文字熟語となる「万丈」とつけると、さらに激しさが増します。「丈」は長さの単位で、「万」をつける事により、一丈の万倍の意味となります。
小さな波と大きな波の差がとても大きいことを表すことになります。

「波乱」に「万丈」をつけると、波の乱れがかなり大きい事になりますが、「万丈」だけで波の大きさを表すのに比べて、「波瀾万丈」は、もともと波の大きさのある「波瀾」に万丈をつけることで、大きさを更に大きくするという役割を果たしていると思われます。

普段、何気なく、大きな違いも考えずに使っている漢字ですが、ちょっと調べるとその違いが面白いものです。

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