「聞く」と「聴く」

話しているときは問題なくても、いざ書こうとすると、どの字を使うのが正しいんだろうと迷う事が良くあります。「聞く」と「聴く」もその一つ。

まず「聞く」の方は、「音を耳で感じ取る。自然に耳に入ってくる」。「聴く」の方は、「聞こうとして聞く。注意してよく聞く。聞こえるものの内容を理解しようとする」と言った違いがあり、「聞く」は受動的。「聴く」は能動的という漢字でしょうか?

ただ、漢字を見ていると、どちらにも「耳」という字が入っているのですが、雰囲気が違う。で、漢字を調べてみました。

まずは「聞」と言う字ですが、門の中に耳と言う字です。これは、門に耳を当てて中の様子を伺っている様子なのだそうで。

ま「聴」と言う字ですが、「耳」に「十四」と「心」です。「聽」と言う字が元々の字で、左側が「耳」の下に「王」。この左側の部分は、人が天に向かって耳を傾けている様子を表した文字で、神の声を聞いていると思われます。
右側が「十」「四」「一」が縦に並んでいるのですが、この部分は「直」に当たると思われます。その下が「心」。
「直」に関しては、様々な意見がありますが、現在使われている「直す」や「真っ直ぐ」「素直」などに通じる意見です。

「直」に関しては、說文解字第十二篇下にこのような文があります。「正見也。左傳曰。正直爲正。正曲爲直。其引申之義也。見之審則必能矯其枉。故曰正曲爲直。从十目乚。謂以十目視乚。乚者無所逃也。三字會意。除力切。一部。今隷作直。」
最初の文字は「正しく見るなり」ですね。途中「十の目でLを見る」という文字もあります。
神の声を真っ直ぐに聞くといった意味があったのでしょうね★

「きく」には、もう一つ「訊く」という字もありますが、こちらは「問いただす」という意味があります。「逃げ口上を考えるひまを与えないように、口早にといただす。広く、罪をせめとう。罪をとがめたずねる。」などなど。
この字は、「尋ねる」と違いを考えた方が良さそうです。

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