錯覚

それでも、心の中が愛情でいっぱいになって
幸せな気分になる時がある。

それさえも錯覚なのに。

いえいえ、それが本当の気持ち。
ただ、報われないってだけ。

恋をしました。
今は、その残骸が、私の回りに散らばっていて
あっちを向いても、こっちを向いても
ふと目が覚めても
その残骸に苦しめられます。

見ないようにしているのに、いきなりその残骸は目の中に飛び込んできます。
そしたら、いきなり心が痛みます。
寂しくて、悲しくて、逢いたくて。

くだらない事を思い出しました。
そう、パスワード。
私の誕生日でした。

それは、いったいいつ変更されるんでしょう?
もう、変更されてしまったのかな?

寂しい事、思い出すんだな・・・。

パンダの母親は、子供と離されてつらいのは1週間くらいで、
その後自分の子供の事を忘れていくのだって。

1週間か・・・
短いね。

もう二度と思い出したくもないあの日から
まだ二日。

どんなに悲しいだの、寂しいだのと言っても
夜になれば眠くなる。
時間がくれば、お腹もすく。

大丈夫。
そんな調子なら。

That’s the way it is

ほら、前に見えるのが君の道
向こうに見えるのが、僕たちの道

隣り合った道は
時間とともに重なり合い
1本の道に

僕を知っている君は いつも僕の隣にいて
君をそっと覗いてはホホえんでいた。

こんな事言うと 君は笑うのかな
君が暗闇で立ちすくめば
僕は君のそばで肩を抱くよ
君がどうしようもなく座り込んだら
僕は君のそばに座り込み
君が僕に気づくのを待とう

ずっと見てきた君は 無邪気に笑う

こんな事言うと 君は笑うのかな
君が悲しくて涙を流す時
僕は君の隣で君を抱きしめる
君が幸福で微笑む時
僕は君の瞳を見つめ 同じように微笑む

一つになるはずの道への
これが僕の約束

君が僕の傍にいる事への
これが僕の約束

君の幸福な微笑みを
僕はそばで見ているよ

ふたつの魂

君 それは懐かしさ
君 それは過去
共に過ごした短な日々
あの時は そんな事 気付きもしなかったけれど

君 それは光
君 それは今
それぞれの道を選んでしまった2人の
それでも 君との出会いは 光
あの時は こんな風な今を想像もしなかったけれど

君 それは夢
君 それは未来
なぜだろう 信じているよ
いつか君の傍に立ち
笑っている自分がいる事
もう決して交わらない道を歩いているというのに・・・
だけどなぜか信じているよ
向かい合い お互いの魂を
響かせ合う時がくる事を

4年

あなたの思いが時を変えて行く
何もなく過ぎて行くのは簡単だけど
今のあなたは その時のためにある
流した悔し涙を忘れない
胸をえぐるような思いは数え切れない
手を伸ばしても届かない
そんな思いも数え切れない
汗まみれのあなたの頬に流れた幾筋もの涙の跡
すべてを出し切った君の笑顔に拍手を送るよ

でも まだ越えられない壁がある
でも それって君が決めたもの
また 挑戦の日々がはじまる

応援するよ

すべてを出し切った君の笑顔が見られるように

その時は君に送ろう
心からの金メダル

点の記憶

遠い昔の記憶を手繰り寄せようとする
糸を紡ぐように
呼び起こされた記憶は
セピア色の写真のように色あせ
断片的で…

君の声は聞こえない
君が手を差し延べたその先は?
君の笑顔を見つめるのは誰?

年毎に君の姿は遠くなり
輪郭は、ぼやけた蜃気楼のように
おぼろげ

時々、君の呼ぶ声が聞こえる
あまりに鮮明で
思わず振り返りはするけれど
君の姿は見当たらない
記憶の中で
君の声は もう思い出せないのに

遠くからでも君の姿は見分けられた
その事は覚えているのに
記憶の中に
君の姿は見つけられない

至る所で君の気配を感じる
いつも使っていた階段
見下ろしていたベランダ
窓辺にもたれて 笑いかけて…
おいで…という仕草も
頬杖をついて「大丈夫」と片目を閉じて見せる癖も

いつの間にかすべて消え去って
きっと君の気配だけを感じるのだろう

12月 雪の化身が舞い降りて
夜のうちに 銀の世界への彩る
生きてはいるのに
死んでしまったように 身動きしない世界
静寂の世界 音のない世界へと導いていく
そんなものとは まったく関係ないように青く光る空

けれど
そう けれど
太陽のひかりがほん少し
空気の中に暖かさを送り込むと
静けさの中に かすかに
生きている音が響いて
雫が大地に1粒1粒したたりおちて
雨の化身へと姿をかえる

原初

私はこうして存在するもっと以前
私は 深い樹海の中にいた
空も見えず 太陽の光さえ届かない深い樹海にいた
じめじめした空気が 私をつつみ 沈殿し
黒い空間を創り出す
木々はおいしげり 葉と葉が重なり合って
暗い深い樹海の中
息をすることも忘れて 私はいた

時おり 風が木々をゆらす時
奇跡のように葉がわかれ 光が届くことがあった
あの頃 私は空の青さを知らなかった

私はそこで 眠ることも知らず
目覚めることも知らずにいた
自分が生きているのか死んでいるのかさえわからずに
私は 樹海の中にいた

私は ただそこにいるというだけで
私は 深い樹海の中にいた