遊離

草が風にゆらりとゆれた
私の身体も ゆらりとゆれて
心だけが宙にうかんだ
青い空に向かって とびだした
横たわる私の身体が遠く下に見えた
蝶が 私と一緒に宙を飛んだ

「どこへ 行こうか」

けれど 蝶は力尽きた

海へ出た
空の青さをうつした海に私の心の影が
ポツリとうつった
鳥が私と一緒に空を飛んだ

「どこへ 行こうか」

けれど 鳥は力尽きた

地球がまあるく見えた
ところどころに大地があって
ところどころに白い雲がうかんでた
あの青さは 海のせいか空のせいか
よくわからないけど
とにかく 地球がまぁるく見えた

星が私と一緒に宇宙を飛んだ

「どこへ 行こうか」

けれど 星は力尽きた

私は一人 とびつづけ
ついには 銀河をこえた

「どこへ 行こうか」

「はるか 彼方まで」

よろしければ、一言どうぞ