紅バラ

真紅のバラよ
おまえは 時には年若い娘たちのあこがれの対象であったり
時には 愛の証であったり
おまえの美しさに誰もがひざまづき ひれふし
誰もがおまえを愛し 恋焦がれる

けれど 真紅のバラよ
おまえは 血に染まった白いバラ
野良犬たちは 土をほじくりかえし
おまえの足にからみついた白い骨を食らう
おまえには 墓場こそがふさわしい

真紅のバラよ
おまえは 闇夜の中で
ひときわあやしく ひかりかがやく

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