廃墟の中で

愛が一つ消えていきます
手と手を握り合った事が嘘のように
抱き締め合っ事が嘘のように
幻の中で起こった出来事のようで
それは思い出の中だけでしか存在できず
立ち入ることができない
知らない人の空想の世界のようで
固く組み合わされた時間が
気付くと
ポロポロと
積み上げられた石が転げ落ちるように
散乱して
原型をとどめない
廃墟の中を歩き回っても
何も見つけられないように
時間が過ぎて行くだけで
壊れた時間を積み上げる事はできず
ただ あてもなく
時間の廃墟をただようだけの

よろしければ、一言どうぞ