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流石

ある時メールに「流石ですね」と書かれていた事があり、私は「リュウセキ」と読みました。
もちろん、意味ははっきりとは分からなかったです。流れる石だから、スムーズとか、そういう意味かな? と漠然と思っていたのですが、「さすが」と読むのだと後から知りました。

意味としては、スムーズでも通用しなくはないので、読めなくてもこの場合は問題なかったのですが、語源について調べみると、「流れる石」自体には意味は無いんですね。

昔、中国に孫楚(そんそ)という人がいた。孫楚は、世の中を嫌って山にこもりたいと思い、友達の王済(おうさい)に「私は、これから石を枕に寝て、川の流れで口をすすぐような生活をしたい」と言う所を間違えて、「石で口をすすぎ、川の流れを枕にして寝たい」と言ってしまった。王済が「なにを間違っている。石で口をすすいだり、川の流れを枕にするようなことが出来るのか?」と言い返すと、負けず嫌いの孫楚は、屁理屈をこねました。「流れに枕するのは、耳を洗うためであって、石ですすぐのは、歯を磨くためなのだ」と言ってこじつけた。これを聞いた王済は「とんでもない屁理屈を言う奴だが、なかなかうまいことを言うな。」と感心した。この事から、感心する時の「さすが」という言葉を「流石」と書くようになった。

漢字で書くと「枕石漱流」というのを「漱石枕流」と言ってしまったという事です。

上記の事から、もともと「枕石漱流」とは、「自分の失敗を認めず、屁理屈を並べて言い逃れをすること。負け惜しみの強いこと。」を表していたようですが、今となっては、「感心する」という意味だけが残ったようです。