I miss you

全てが手から離れる時というのは、こういう感じかもしれない。
両手に余って、ちょっと好い気になって、
結局、自分では扱いきれず、ポロポロと砂が流れ落ちるように
集めても集めても、すり抜けていく水のように
気づいてみると、かけらしか残っていないようで

どこで、どう、何を間違ったのか
考えようと思うけれど、
そんな思いもすり抜けて
ただ、残骸の中で佇むしかなくて。

拾い集める勇気も
傍に行く勇気もなくて

ただ、ごめんねと。

そんな思いだけが溢れてくる。
もし、今、何か伝えてもいいよと言われたら
伝える言葉は一つだけ。

寂しい。

記憶の底

白く波立つ水の中
何をこも海に沈めようか?

夢?

それとも嫌な思い出?

あぶくの湧き立つその向こう
ずいぶん遠くに太陽の光
・・・・・こんな所まで来ちゃったのか?
捨て去るもなど 何もにような・・・

でも、大切な何かを忘れている気がする

この胸に抱きしめて
愛しくて 涙を流したような

海に沈んで行くのは・・・
未来?
手に入れるはずの?

誰かが傍にいたような
でも それが誰なのか?

悪いね 良く思い出せない

ただ分かるのは
時間がない
その事だけだろうか?

ああ、だけど・・・・
ただ 愛しているよと
誰か、伝えてよ
ただ 幸福だと
こんなにも

音の大河

流れの中に飛び込むと
流れ去る きらめく音の群れに囲まれて。。。
音は水を震わせる
突き刺さる単音が水を切り裂き
細やかな弦が渦を巻く
水底から響き渡る大きな鼓動
音には思えない木管の優しい振動に
目を凝らすと 見えてくるのは小さなあぶく
まとわりつく弦を押しのけ
辿り着いたのはファゴット
ヘェ〜 君ってこんな音で流れるんだ
飛び魚が水面をはねるように
時々 金管の甲高い音が飛び跳ねる
キラキラと輝く太陽の光はピアノ
先頭を行く指揮者のタクトから流れ出る音にあふれる大河
タクトが振り下ろされた瞬間
支えを失い 暗闇の中に放り出され
流れ去った音の残像に目を閉じる

感謝と尊敬と

感謝と尊敬を…

その強さに対して
自分の意志を貫き通す姿勢に対して
その覚悟に対して
示してくれた勇気に対して
そして 何よりも
「過去はどうでもいい
今があなたにとって一番大切だ」
と 言い切ったあなた自身に対して

空の散歩

空が青い
澄みきってるよ、あまりにも

どうしたら とどくのだろう
どうしたら 行くことができるのだろう
だけど 今の僕には遠すぎる

風がなってる 遠くのほうで
昔 風は僕をつれて一緒に散歩したよ

時には 僕を抱きながら
時には 僕の翼になって

風は僕をつれて一緒に散歩したよ
陽の光がとても暖かだったのをおぼえてる
その時 思ったんだ
あの光の1粒になってとけていきたい

だけど 今の僕には遠すぎる

初恋

忘れ物をしてきたよ 君の心の中に

忘れ物をしてきたよ 君のいたあの時に

遠い思い出の中に はしゃぐ君が見えるよ

友達と笑い合う 冗談を言って

揺れる髪が 頬を撫でる 爽やかな午後の陽に

時折、君 目を伏せて 考える仕草

何を思い 君の心 どこへ行くのか

校舎を出て 一人歩く 君の後すがたを

グランドから 追いかけて 声を掛けたかった

ひとことだけ サヨナラと 伝えたかったけど

そんな勇気もなくて 見送ったあの時

大人になり 思い出す 君の長い髪を

切なくて 苦笑い 懐かしい あの時が

遠い思い出の中に 幼い僕が見えるよ

寂しいくせに 強がって 知らん顔していた

君の前で わざと 知らない振りをしていた

遠い過去より

おまえは 何を見てきたのか?
そこに いったい 何があったのか?
そして なぜ こんな風になったのか?
おまえは いつから どんな風に そこに立っているのだろう
何を問いかけても 何も答えはかえってこない
黙ったまま ずっと遠くをみつめたまま
悲しみを おしころして 立っている
おまえを作ったのは 誰?
おまえに やさしく語りかけたのは 誰?
身動きもせず 風に吹かれ 雨にさらされて…
そんな目にあっても おまえは じっとまっているのか
何百年の時を おまえは 待ちつづけているのか?
おまえたちの時代が また再び 甦るとでもいうのか?
おまえが待っているのは いったい何だろう
何も語らず 静かに ただじっと おまえは待っている
我々の知らない世界がもう一度
そこに甦るのを
それとも もう
おまえが待っているのは 無なのか?
おまえは寂しい瞳をしている
おまえだけが 取り残されて そこにいるのは
そんなに悲しいことなのか?
おまえにできるのは
戻らない時をまつことだけ
おまえの心は いつも 戻らない時に
かえっていくのだろう